空っぽのお皿

今日は次男と出掛けた帰りのバスで、最近よく会うおばちゃんがイチゴを1パックくれた。

家でパパと待っている長男はイチゴが大好物。

 

長男は、とある理由で酷い偏食があり食べるものが極端に少ない。

毎日毎日大変だ。…大変というか、ほぼお手上げ。

 

今晩も何が食べたいか言わず、結局たい焼きしか食べなかった。

皮は全部残し、餡をこねて遊びながら数時間かけて数口だけ食べたあと、

「なんか食べたい。」といった。

 

出たよ。

「なんか食べたい」

 

目の前に食べ物があるじゃん。

なんで食べてくれないの。

食べたいと言ったものを作っても完食することなんてほぼ無い。

すぐに「もういらない。なんか食べたい。」という。

そして別のものを用意する。

また食べない。

これが1日に3回。いい加減にしてくれ。

 

でも今日は大好物のイチゴがある。

こんなときは精神的に少し楽だ。

 

「イチゴあるよ。食べる?」

「食べる!!!!!!!!!!!!!」

 

それはそれは大喜びだった。

お皿に数個のせて、長男の前に出した。

 

わたしは疲れ果ててそのままソファに座り込み、

一瞬でうたた寝した。

パパも同じくソファで寝ている。

次男もベッドでウトウトしていた。

 

「ママ、葉っぱどうぞ。」

 

「葉っぱなんかいらないよ。」

何度そう言っても葉っぱを取るたびに持ってくる。

イチゴの数だけそのやり取りを繰り返す。

 

疲れてイライラしていたわたしは「しつこいよ!」と怒ってまた寝てしまった。

 

起きたらお腹の上に、空っぽのお皿があった。

 

長男はわたしが起きたことに気づいて、

待ってましたといわんばかりの顔で「もっと!」といった。

わたしはあろうことか「なにがもっと欲しいかちゃんと言って。」と返してしまった。

 

分かってたのに最低だ。

「イチゴがもっと食べたいから、おかわりちょうだい。」って。

長男はそれ以降「もっと!」と言わなかった。

そしてそのまま寝る時間になり、寝かせてしまった。

 

分けてあげた葉っぱをいらないと言われどんな気持ちになったか。

家族全員が寝てる中、どんな顔して大好きなイチゴを食べてたのか。

どんな気持ちでわたしのお腹に空っぽのお皿を置いたのか。

おかわりを貰えず、どんなに悲しい気持ちでそのまま寝たか。

 

どうしよう、深く傷付けてしまった。

これをたった今思い出して気付いたということが母親として終わっている。

今から4時間も前のことなのに。

食べたがっている長男を自分が疲れているという理由で足蹴にしておいて、

偏食に参っているなんてよくも言えたもんだ。

明日起きたらすぐに一緒にイチゴを食べよう。

パパもお休みだから、4人でいっぱい食べよう。

 

ごめん。